多量出血でなぜ低血圧が発生するのか
多量出血は出産や外科手術の場合に多く、初期段階での処置を誤ると死に至る可能性もある大変危険な状態です。一度に大量の血液が失われるため急激な低血圧を引き起こし、顔面蒼白、嘔吐、筋肉のけいれんなどを併発します。また、日常で多量出血を起こしやすい病気としては血友病などが知られています。多量出血が起きた場合の正しい対処法や出血のメカニズム、それに付随する低血圧への対応などについて掘り下げてまとめました。
多量出血で血圧が低くなるメカニズム
多量出血によって併発されるのが出血性ショックです。出血性ショックは、出血や有効な体内血流による血液量の減少が制御できなくなった結果、血圧低下、呼吸困難、尿量の減少、意識障害などの症状が引き起こされることで、最悪の場合死に至る危険性があります。成人の血液量は体重の約7%であり、そのうちの20%以上を失うと様々なショック症状を引き起こします。多量出血の多くは、外傷、血管疾患、胃腸出血、手術などの失血によって引き起こされ、血液量が減少すると充分な酸素が臓器に運ばれなくなり、最終的に多臓器不全が生じます。とくに脳や心臓は酸素を多く必要とするため、低血圧をはじめとして脳梗塞や心不全のリスクが高まります。出血性ショックの初期段階では、血液が脳、心臓に優先的に割り当てられるので、体温が急激に低下し、頻脈になり、意識も次第に遠のいていきます。このような症状は循環血液量の15〜30%の失血で見られ、低血圧などほかの病気をもっている場合はとくに注意が必要です。血圧が低下していなくても出血性ショックの可能性があるため、出血時には注意深い観察が不可欠となります。
出血したまま放置するとどうなるのか
多量出血による出血性ショックが長く続く場合、体内を循環する血流量が著しく低下しますので、急激な低血圧やそれに付随する病気に注意する必要があります。血圧が下がるにつれて、脳に血液を送る圧力も低下しますので意識の混濁を招きます。さらに、血液の循環不全によって輸送される酸素量も不足するため、呼吸状態が次第に不安定になり、低酸素血症を引き起こす可能性があります。また、過呼吸による過換気症候群にも注意しなくてはなりません。血液中のpHを維持しようとして二酸化炭素の排出を増加させ、過度に酸素を吸入することが呼吸過多になる原因であり、筋肉組織は低酸素になり、筋力も低下していきます。また、体内の血液量を大量に減らすことで過剰な脱水を引き起こします。出血が多い場合は、多臓器不全など、生死に直接かかわる緊急事態に陥る場合も少なくないため、対応には迅速さと正確性が求められます。ショック症状が落ち着いたとしても、全身の様々な器官の機能損傷が大いに考えられるため、しばらくの間集中的な治療を続ける必要があります。
多量出血した際に対処すべきこと
多量出血では心臓に戻ってくる血液の量が減少し、本来全身に送られるべき酸素レベルも著しく低下します。血圧が下がらなくても、頻脈とともに出血性ショックの初期症状が表れる可能性があるので注意が必要です。出血性ショックの場合、気道確保、静脈経路の確保などの緊急処置が行われます。また、大量の輸液や輸血により体温が低下するため、体はつねに温かく保ち、出血している場所をすみやかに特定してください。日常生活で多量出血がが疑われる場合は全身をよく観察し、身体の表面部分の出血については、可能な範囲内で止血することが最善の方法です。止血の基本的な方法としては、圧迫止血が一般的と言われています。日常の場面では、きれいなハンカチなどを患部に直接置いて、強い圧力をかけてください。清潔な手袋などを使うことで、傷口からの細菌感染を防ぐことができます。直接圧迫止血で血液を止められない場合は、間接圧迫止血法といって、出血している場所から体の中心にある動脈を圧迫して出血を止める方法もあります。
まとめ
多量出血は、外科手術や出産などで起こり得る身近な現象です。初期段階できちんと対処を行えば命の危険もなく、その後の影響も最小限におさえることができます。また、ちょっとした怪我でも出血が止まらなくなる病気としては血友病や糖尿病などがあり、それらの疾患をもともと持っている場合はほんのささいな傷にも注意する必要があります。
※本文参考資料
「第2回埼玉血液フォーラム特別講演:大量出血の病態と輸血療法」埼玉県赤十字血液センター



最高血圧:94mmHg
最低血圧:58mmHg
でも、低血圧対策としてサプリを飲み始めサプリを飲んでてからは、スッキリ目覚められるようになりました^^
